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マルカン大食堂 運営存続PJ
2016/05/31

【検討結果報告】マルカン百貨店の運営引き継ぎについて

小友康広
メディア

小友木材店の内容ではありませんが、私が代表取締役を務めるもう1つの会社である花巻家守舎に関連するお知らせですので、この場を借りて報告させていただきます。

2016年3月18日、花巻家守舎は「マルカン百貨店 運営引き継ぎ検討に関するお知らせ」をリリースさせていただきました。

【リリース文章】 下記リンクをクリックしてご覧ください。

マルカン百貨店 運営引き継ぎ検討に関するお知らせ.pdf(PDF形式 303KB)

 

こちらについて、「2016年5月末までに検討結果を報告する」とお約束させていただいておりました件、報告をさせていただきます。

結論から申し上げますと、以下の通りです。

『引き継ぎは出来そう』

『ただし、10年で投資回収は見えておらず、市民やマルカンファンの皆様にも資金的なご協力を頂く必要がある』

『ご協力を頂ける前提で、2016年8月末を目処に各所調整を進めていく』

運営引き継ぎを現実にしていくためには、まだまだ不確定な要素が多い状況です。
理論が現実になるように今後は以下を進めていく所存です。

(1)新会社設立
(2)資金調達
(3)契約条件の詰め、契約書の締結
(4)工事費用の更なる圧縮の検討と着工

 

以上が結論ですが、それぞれ深掘りして説明させていただきます。

 

■目的:そもそも何を実現しようとしているのか?

 6階の大食堂を可能な限りそのまま残す

我々のビジョンは当初から現在まで一貫してこちらの言葉に集約されます。
こちらを実現するためには、大食堂だけの売上、利益では耐震コストなどの改修費を全て賄えないと判断し、「1階~5階へのテナント誘致」という方法で「初期費用コストを10年以内に出来る事業計画を立てる」ことを目標に動いてまいりました。

 

■2ヶ月半検討したこととは?

上記ビジョン実現のため、以下の3つのことを同時に検討してまいりました。

①コスト算出
 これから10年、20年と事業を行っていくために必要な建物の改修コストがどれくらいかかるのか?耐震以外にも外壁塗装、冷暖房設備など全ての面からチェックをし、初期・維持ともにかかる費用を見積もる

②テナント募集
 1階~5階は今まで㈱マルカン様が直営で営業していましたが、当社が㈱マルカン様から転貸権を頂き、全体のプロデューサーとして「ここでビジネスをやりたい!」という方に入居いただき、その方々のビジネスが上手く行くように支援し、家賃を頂く方式で運営していくための入居者募集

③食堂運営ノウハウの引き継ぎ
 6階の食堂が可能な限りそのまま残せるように、㈱マルカン様から運営方法を伝授していただくことと、引き継いでいける人を確保すること

 

■2ヶ月半検討してきた結果報告 

①コスト算出について

 現時点では内装を除き、5~6億円程度かかることがわかりました。

 『耐震』という部分だけで見ると1~1.5億円程度で可能なのですが、老朽化による『冷暖房設備の総入れ替え』『水漏れ、雨漏りの補修』『消防設備などを最新に変更が必要』や用途変更や事業者変更によって『現行のエレベーターでは現行法の耐火基準をクリアしていないため総入れ替えが必要』『現行法の消防法などに適応させるための改修』、ランニングコストを減らすために『照明器具などを省エネのものに変更』など様々な追加コストが発生することが判明し、上記のような金額となっています。

②テナント募集について

 お陰様で20件以上、具体的なお問い合わせ、ご提案を頂き、各種条件のすり合わせをした結果「その条件なら入居したいです」という方々で必要なフロアを埋めることが出来ました

 現時点では正式な契約書を締結しているところは無く(そもそも我々と㈱マルカン様との契約書の締結がまだなので、各テナントと結ぶ権利がまだ当社にはありません)、これから詳細を書面に落とし詰めていくことになります。

 なお、具体的なテナント名の公表は契約書締結後とさせて頂く予定です。

 理由は、各テナントに対して
 ・「マルカンに出る方向だ」ということが知られたが、条件が折り合わず出られなかった場合「なんで出なかったんだ!」「出なかったことで存続できなかったじゃないか!」などという心ない悪評が回る
 ということを我々が危惧しているためです。

 当社も、各テナントもビジネスとしてシビアに検討するにあたり、詳細を詰めていったら条件が折り合わないことも想定出来ます。
 その時に、上記のような状況になってしまうのは避けたい思っての当社側の判断ですのご理解頂ければと思います。

③食堂運営ノウハウの引き継ぎ

 こちらについては、現時点で複数の候補と交渉を進めており、まだ確定はしておりません。
 これからそれぞれの候補者と詳細な議論に移ります。

 

■これからどのように進めていくのか?

(1)新会社設立

 2016年6月1日に『株式会社上町家守舎(かみちょうやもりしゃ)』を設立致します。

 こちらは、以下の目的のために設立します。

 ・資金調達したお金が不透明にならず、可能な限り透明な会計を実現するため
  (花巻家守舎と口座や帳簿が一緒になることを避け、公表しやすくするため)
 ・花巻家守舎の活動、目的と明確に区分するため
  (上町家守舎の当面の目的は「6階の大食堂を可能な限りそのまま残す」であり、花巻家守舎の目的は「花巻駅前エリアにチャレンジする大人を集める」と明確に目的を分ける)

 

(2)資金調達

 上記の通り、本格的に運営を引き継ぐとなると当面の運営費を加味し6億円以上の資金調達が必要になります。

 調達の方法は、以下の方法を考えてます。

【1】銀行からの融資
 これから各行さんと調整をしてまいりたいと思っております。

【2】クラウドファンディング
 「いしわり」という岩手県内の事業者 NPO法人wiz が営むクラウドファンディングサイトがあります。
 今回マルカン百貨店という岩手の象徴的な場所に対するものであるということで、様々な面でご協力頂けることになっております。

 6月中旬にサイトオープンを行いますので、オープン次第再度お伝えします。

 クラウドファンディングの特徴である「出資金額に応じた返礼」なども用意する予定です。

【3】寄付口座の開設
 クラウドファンディングではない銀行口座振り込みの方法で寄付を受け付けられるようにもしたいと思います。
 (インターネットに不慣れな方、クレジットカード決済に不安を覚える方のため、法人からの振込にも対応するため etc.)

【4】コラボレーション寄付
 マルカン百貨店をモチーフにしたモノやサービスを共同企画し、そちらの売上の一部を寄付頂き、運営費の一部を差っ引いて残ったお金を初期費用の寄付として使わせて頂くような方式です。

 現時点では具体的に

・マルカン応援ワイン
 盛岡にあるワインバーアッカトーネの松田宰さんが企画し、花巻にあるエーデルワインさんが製造頂いたワインです。
 マルカン百貨店が閉館する6月7日(水)に発売開始、当初の販売先は販売は丸三酒店(花巻)、ナナック(盛岡)、アサクラ酒店(遠野)、IWATE STAR BRAND(花巻のネット販売会社)にて行う予定です。

マルカン応援ワインポスター

マルカン思い出写真集
 花巻在住のデザイナーの高橋菜摘さん、写真家の鎌田冬樹さん、編集者の北山公路さんの3人が中心に、今のマルカン百貨店の写真を撮影、花巻市民の皆さんが持っているマルカン百貨店の思い出写真を集めるなどした写真集を制作中で、6月には先行予約開始の予定です。

【5】説明会&講演会寄付
 今回のマルカン百貨店運営引き継ぎについてご興味を持たれている方や、花巻家守舎を中心にしたまちづくり活動にご興味を持って頂ける方が非常に多いと感じております。

 ただ、我々も1人1人に個別で詳細を説明して回ることはいくら時間があっても足りない状況です。(ましてや、これから様々な活動を通じて実現に向けて動く必要があるので)

 そこで「マルカンの運営引き継ぎについて」「まちづくりについて」などの説明会や講演をご企画頂ければ、そちらに伺ってご説明、疑問に思っていることに対して質疑応答をさせて頂く時間を作りたいと思っております。

 その際の入場料、講演料などは全額上町家守舎の収益とし、そこから耐震補強などの初期費用の一部とさせて頂ければと思ってます。

 大変恐縮ですが、あまりに少ない人数、金額ですと厳しい状況ですので「1講演 2時間以内、10人以上、5万円以上の寄付金が見込める+交通費」というのを最低条件とさせて頂ければと思います。

 コラボレーション寄付を行って頂ける事業者、説明会・講演会依頼は随時募集しておりますので、info@hanamakiyamori.com までご連絡下さい。

 

なお、【2】~【5】の合計で2億円集めたいと思っております。
この数字が実現できると当初掲げた「10年間で投資回収」という目標が現実的になります。
逆を申し上げますと「4億円を稼ぐ事業は何とか描けたが、2億円足りていない。残りを皆さんのご協力で何とか埋めて存続を実現したい!」という状況ですので、何卒ご協力をよろしくお願い致します。

 

また、もし8月末までに資金調達が出来なかった、テナントとの交渉が決裂するなどに陥り『運営継続不可能』となった場合の寄付金についてですが、

【2】【3】については「振込手数料を除いて返金する」という方針です。(そのため、確実に返金口座情報が分かるようにして頂く必要があります)

【4】【5】については「返金せず、諸経費を抜いても出た利益は㈱マルカン様と相談の上、慈善団体に寄付する」という方針です。理由は「商品、サービス自体に相応の価値があるもの」「1人1人の口座などを把握するのが極めて困難」というものあるためですので、ご了承下さい。

 

(3)契約条件の詰め、契約書の締結

 今回の運営引き継ぎを行うにあたり、㈱上町家守舎は㈱マルカン様に「マルカンビルをお借りする」という必要があります。
 そちらの諸条件を口頭では詰めてまいりましたが、これからは弁護士なども交え、書面に落とし込み契約書の締結が必要になります。

 同時に、入居をご検討いただいているテナント様、大食堂の運営事業者とも書面での締結が必要になってまいります。


(4)工事費用の更なる圧縮の検討と着工

 これは工事に携わって頂ける方々のお知恵と、テナントでご入居頂く方々との調整によって実現していく予定です。

上記の通り、ポイントとしては(2)と(3)になると思っております。
特に、市民、マルカンファンの皆様には(2)の資金的な部分での援助を何卒よろしくお願い致します。

 

■花巻市との協力体制について

 様々な方からご質問いただきますが、花巻市の方には多大なご協力を頂いております。

 具体的には、現在我々の方から市に対して「1テナントとして入居いただけないか?」のオファーを出しており、それに対して、市は前向きに検討していただいている。
 具体的にどうなるか?は『現在市として改築が必要と考えている施設』を中心にアイディアをお互いに擦りあわせている状態であり、確定していない状況です。(アイディアが決まった後にも、確定のためには議会の承認が必要でもあります。)

 なお、今後の上町家守舎の活動によっては市ではなく、違う施設が入る可能性もあります。(より良い条件で入居頂けるところを探す活動はしばらく継続していく方針です。)

 上記の件については、花巻市に問い合わせていただいても「花巻家守舎(これからは、上町家守舎)と協議中」としかお応え出来ない状況かと思いますし、あくまでもこの運営引き継ぎプロジェクトの責任主体はこちらですので、あまり花巻市役所の皆さんにご負担をかけないようにご配慮をお願い致します。

 

今後も最新情報があり次第、Webサイトを通じて発表してまいります。
以上でございます。

株式会社花巻家守舎
代表取締役 小友康広
お問い合わせ、連絡先: info@hanamakiyamori.com

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